岡山県6次産業化サポートセンター - 農林漁業者のみなさん、商品開発・販売の仕組みづくりを応援します!

6次産業化に関するご相談に対応しています。
岡山県商工会連合会
〒700-0817 岡山市北区弓之町4番19-401号
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瀬戸内市「株式会社 一文字」

 中世の商都であり日本刀の聖地でもある備前福岡(瀬戸内市長船町)でうどん店を営む「一文字うどん」さん。1983年セルフうどん店として開業。約15年前からセルフとオーダーメニューの二本立てで営業しています。多店舗展開の道を選ばず、早くから垂直展開を追及。自ら小麦を栽培し自前の石臼で製粉した小麦粉で作ったうどんを提供しています。その他、冷凍食品製造や小麦粉の販売等も手掛け、近年「五穀合鴨農法」による「五穀鴨」(商標登録済み)の販売にも力を入れています。「名刀『福岡一文字』の『一文字』を名乗る以上、この地をより良くし、食文化の発展にも寄与したい」と、「地産地消」「地育地食」も牽引されている代表の大倉さんにお話をお聞きしました。

 

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■うどん屋というステージがあったからこそ「地うどん」という発想が生まれた

 父が開業した当時から「安い・早い・うまい」の地域繁盛店でしたが、東京から店を継ぐためUターンした時、都会では味わえない農的環境でうどん屋を営みながらスローライフを送るつもりだったのに、記憶にあった田舎風景は様変わり、後継者不足で農家に元気がないことに愕然としました。そこで、うどん屋という場を活かし農業と食を結びつけ、地域の農業や経済の活性化モデルケースになろうと考えました。そして実家の田んぼで野菜やお米を作り、自分で作ったものをお客さまに提供することができるようになり、その自負が芽生え出した頃「でも小麦は輸入なんでしょ」という東京の友人の一言に衝撃を受けました。
 「国産小麦はグルテン不足。コシがあるうどんなんて作れないの!」と反発したものの(でも…うどんは日本の伝統庶民食。それなのに故郷のうどんが輸入小麦でいいのか…)と苦悶。そして「地元の小麦を使った『地うどん』を作る」という、うどん業界では不可能と言われていた道に突き進むことにしました。小麦粉の研究で東奔西走し、うどんに適した「しらさぎ小麦」とであい、栽培をスタート。しかし、収穫はしたものの、昔この辺りにあった製粉所が輸入小麦に押されて農家が小麦を作らなくなったためすべて廃業。困り果てたあげく石臼製粉機購入を決め、自家製粉を始めました。
 しかし、石臼で挽くと毎回違う粉ができてしまい、「来るたびにうどんが違う!」と言われ、研究を重ねること約13年。今は特徴のある地うどんでありながら、なめらかでコシのあるうどんを安定供給することができています。




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■石臼メーカーの協力により、粉の特性を客観視

 同じように石臼で挽いても日によって粉の状態が違う。それは“石臼の機嫌”とあきらめていましたが、6次産業化認定を受けるにあたり、石臼メーカーの協力を得ながら、徹底的に挽き方と粉の相関性を研究しました。挽き方を変えるだけで、硬さ、色、食感、風味、すべてがまったく違う種類のうどんになりますが、どのように挽けばどのような粉になり、そしてどのようなうどんになるかを「見える化」し理論付けができ、どのようにブレンドすれば“求めるうどん”になるのかが明確になったことが最大のメリットです。




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■一文字うどんのウリを最大限に活かしたメニューが誕生

 挽き立て小麦の風味が楽しめる「うどん」、材料である小麦が育つ畑で元気に育った「鴨」、代々伝わる厳選された天然素材を使った「うどんだし」、これらを見事にかけあわせ「鴨鍋=飲む親父の鍋」ではなく家族団欒でおいしく食べてもらえる「鴨鍋うどん」のメニュー提案をいただき、お店で提供しています。「最後の一滴まで残したくない」と多くの方に喜ばれています。




■自分で作った食べ物で“人”を“良”くしたい

 農業とうどん屋を掛け持つのは本当に大変なことでどちらかが中途半端になってしまいがちです。それでもこのスタイルで頑張ることができるのは、主食を生産しそれを加工しお客さまに直接食べていただくことが地方が生きのびて持続発展するために必要ですし、自分で作った食べ物で“人”を“良”くしたいからです。
 6次産業化の認定は自身のブランド化のためだけではないと私は思っています。認定されることによって長年かけて培ったノウハウや心意気を受け継いでもらえる賛同者が増える!それがそれぞれの地域での持続性の高い発展につながる!と確信し、そうあって欲しいと願っています。

 小麦栽培では日本初の完全無農薬合鴨農法ができるようになったのも、石臼挽きの研究に没頭できたのも、全て自分の志に共感してくれる家族の支えがあったからこそです。今は安心して息子(剛生さん)に店を任せられるので新商品開発なども成功しています。これからも地域農業の発展と食文化発展のため、そして全国各地で「地うどん屋」(自分で育てた小麦で作ったうどんを提供するうどん屋)が生まれることを願い、その先駆者として頑張りたいと思っています。

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●「一文字うどん」ホームページはこちら

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新見市哲多町「TETTA株式会社」

新見市哲多町にあるTETTA株式会社。主な事業として生食用ぶどうとワイン加工用ぶどうの栽培・販売及び、ワインの製造・販売を行っています。
新見市哲多町エリアは、フランスの銘醸地に似た石灰岩土壌(石灰岩と赤土)で、水はけが良く寒暖差もあり、ぶどう栽培には非常に適した環境となっており、その広大な農園には、現在生食用ぶどうとワイン用ぶどうの木が数千本育てられています。今回はその株式会社TETTA代表の高橋さんにお話をお聞きしました。

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「ワイン作りはクッキングではない」

ワインの品質は7〜8割が素材となるぶどうの善し悪しで決まってきます。もちろん醸造の工程などでも左右されてはくるのですが、糖度を高めるために何かを加える、複数の品種を混ぜるなど「味」を調整するようなことは行いません。それでは「クッキング」になってしまい、本当に質の高いワインとは言えないと思うのです。それよりも素材となるぶどうの品質を高め、持っているポテンシャルを存分に発揮させることが一番上質なワインになると私たちは考え、ぶどうの栽培・ワインの製造を行っているのです。

 私たちのワインが他の国産ワインと大きく違うのは、原料となるぶどうを自分たち自ら育てているということですね。もしぶどうを作らずワインを製造するとなると原料を業者から購入しなければならないのですが、そのようなぶどうは生食として流通できなかった規格外の間引かれたぶどう、いわゆるダメなぶどうがほとんどなんです。それでは美味しいものは出来ませんよね。なので素材となるぶどうを、いかに高い品質で育て収穫できるかが私たちが一番大切にしているところ。幸いこの哲田町は天候や土壌などがぶどう作りに非常に適しているため、他の地域よりもアドバンテージがあるのですが、それでもさらに上の品質を目指して日々研究を行っています。



「お土産ワインは作りたくなかった」

よく地域の特産品コーナーという売場があったりしますが、そういったところへはあまり卸していません。丹誠込めて作っている商品なので温度管理などもきちんと行ってもらえる場所であってほしいし、何より「本当に理解してもらえる方々に提供していきたい」という思いが大きいからです。製造コストを考えると単価を下げることは難しい商品なので、最初からハイブランドのイメージでブランディングを行っていきたいと考えていました。サポートセンターの担当の方からデザイナーとフードコーディネイターを紹介いただき、具体的な方法を試行錯誤を重ね現在の形になっています。

 知らないワインの銘柄の中からもし選ぶのであれば7割の方がラベルのデザインで判断すると言われてます。知名度もなく、店頭で他の国産ワインに埋もれないようにするためにはどうすれば良いかということで、慎重にラベルのデザインも形にしていきました。販売から4年ほどたちますが、販売先や売れ行きを見ながら少しずつラベルデザインの改良を重ね現在の形になっています。



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「法人である以上は農業所得をきちんと向上させ地域に貢献したいですね」

私たちの会社には現在18名のスタッフが働いています。農業生産法人でやっている以上はきちんと会社の収益を向上させていき、毎月の給料を支払っていかなければなりません。そのためにはしっかりとした事業計画が必要になります。ただ、ぶどうの木は植えてもすぐに収穫はできませんので長い目で事業の計画を立てる必要があります。正直なところ6次産業化の認定事業の5カ年計画だけでは収まりません。その先を見越した上で畑の作付け計画、醸造工場の建設などの計画が必要になってきますので、中小企業診断士の方やサポートセンターの担当の方にアドバイスが非常に助けになっています。

きちんとした収益を得てきちんとした給料を支払える状態が確立することが地域の雇用促進や活性化に繫がると考えています。そしていずれは地元の方々にも飲んでいただき、地域に愛されるワインと会社を作っていきたいと思っています。

「TETTA株式会社」のホームページはこちら

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新見市「アーリーモーニング」

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紅茶研究家として活動していたアーリーモーニングの宮本さん。様々な紅茶を全国各地で淹れるレクチャーなど行っていたが、やはり自分で納得いく本当の紅茶を作りたいという思いが芽生え、現在の紅茶生産とペンション経営を始めた。紅茶研究家としての知識や経験から、栽培に適した場所、どのような品種を使えば良いかの判断基準は既に持っていました。
その宮本さんが紅茶栽培に選んだのが岡山県新見市大佐。東向きの急斜面、朝夕には霧が立ちこめる場所はまるでインドのダージリン地方によく似ている。この土地を耕し、紅茶専用の苗木を植え現在では成木が6,000本までの規模になり、一つ目の夢であった自分の名前「Eiji Miyamoto」のブランドで紅茶販売をスタートしたのです。

 

■6次産業化の制度をどこで知りましたか?

商工会のスタッフの方からの紹介でした。それまでは独自で商品を開発し、自分のコネクションでデパートなどで展示会などに参加していました。

 

20140226-DSC_0280.jpg■6次産業化の認定を受けてのメリットは?

一番大きいのは事業の5カ年計画を作る事ができたことですね。これは自営業にとっては非常にありがたかったです。といいますのも自営となるとどうしても自分の都合だけで仕事のペースや方針を決めてしまいがちなのですが、計画があることによって短期の小さな目標が明確になるので、それを目指して「今日は何をすれば良いか」といった行動に移す事ができるのです。
あとは専門家の紹介・派遣を行ってもらえることですね。中小企業診断士、フードコーディネイター、デザイナーの方々をご紹介いただきました。事業計画やブランドの構築などで大変お世話になっています。自分で良いと思った考え以上に、専門家の方々は新しい切り口で提案をいただいたりできますのでいつも勉強になり刺激を受けますね。紅茶研究家としての専門的な知識だけでは製造から販売まで全てをこなす事はまずできなかったと思います。

 

■商品開発で大切にしていることは何でしょうか?

私の農園では紅茶専用種の木からとれた茶葉を製茶しています。
本来、茶の木は1種類しかなくそこから様々な品種に派生したという「茶樹一元論」というものが現在の定説になっています。なので実は紅茶は緑茶の葉からも作る事ができるのですが、厳密に言うとやはり違うんですよね。緑茶は不発酵茶と言って発酵をさせない品種の方が良いお茶になり、逆に紅茶は発酵茶で発酵が得意な品種、いわゆる紅茶専用の品種とがあります。日本で栽培されているのはやはり緑茶用の不発酵の品種が多いのですが、私の農園ではこの発酵系の品種のみを育てて製茶するようにしています。
世界的には紅茶は紅茶専用種を使うのが通常ですので、うちの農園でも同様に紅茶専用の品種で製茶することにこだわっていきたいです。

あと紅茶の出来は日照時間や温度・湿度によって変わってくるので製茶はかなり気を遣う工程なのですが、現在はその製茶の設備が整っていないため外部に委託し、出来上がってきたものを私がテイスティングして振り分けるという流れになっています。いずれはこの製茶の工程も自社で行える設備を整え、今以上に品質の高い紅茶を作って行きたいと思っています。

 


■今後の事業展開においての目標は何でしょうか?

いつか大使館で使っていただけるような紅茶を作ることですね。お茶というと世界的に見ると7割以上は紅茶であって、そこで各国の要人にお出しするのであればやはり紅茶かと思います。メイドインジャパンの紅茶でありながら各国の方々にも気に入っていただけるものを作って行きたいですね。あと、紅茶には人を集わせる力と癒す力があるんです。紅茶に含まれるタンニンとカフェインが1時間もすると中和され、やんわりと体に沁み込み頭が壮快になり互いの話を良く聞けるようにもなります。そういった力を利用すれば世の中いざこざが少しでも減るのではないかなとも思うんですよね。

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「アーリーモーニング」のホームページはこちら

 

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瀬戸内市「牡蠣の家 しおかぜ」

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吉井川と千種川の美しい水が注ぎ込む瀬戸内市の邑久町虫明地区は、牡蠣の養殖に適した天然の漁場として、古くから牡蠣養殖が盛んに行われてきました。今回はこの虫明地区で6次産業化の認定うけた「牡蠣の家しおかぜ」さんに、6次産業化の認定についてのお話をお聞きました。

7代にわたりこの地区で漁業を営んできた「牡蠣の家しおかぜ」は冬はもちろん牡蠣養殖業、春から秋にかけては小型定置網漁業といった形で複合経営を行っています。6次産業化の認定を受けたのは平成24年5月からですが、独自に加工して販売するという試みは、8年も前から取り組んでいたそうです。早くから漁や養殖だけでは経営は今後厳しくなる一方ではという危機感を感じていたので、自ら販売してはどうかと、定期市やイベントに出店し、その場で焼いたり揚げたりする露天スタイルで様々な加工・販売方法を模索していました。

ところがそのやり方にもやがて限界が訪れました。その場で加工する方法のため消費期限は短く大量にさばく事はできない。逆に全く閑散としたイベントでは用意していた材料を大量に無駄にしてしまうなど、なかなか思うような事業形態にはなりませんでした。そのような状況の中で商工会に6次産業化の制度を紹介され、新たな商品開発がスタートしたのです。

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6次産業化に認定されていると話すと相手の態度が変わるんですよ

6次産業化に認定されたことの大きなメリットとしては、しっかりとしたブランドとして見てもらえることでした。それまでは、個人事業で行っているため商談会などに出品してもなかなか相手にされなかったのですが、6次産業化の認定を受けていると言うと、皆さん足を止めこちらの話をじっくり聞いてくれるようになったんです。これが一番大きいですね。

あとは専門家をご紹介いただいたいことです。調理技術などをアドバイスしていただいたフードコーディネイター、販促物・パッケージデザインなどを手掛けていただくデザイナー、商標登録する際に協力いただく司法書士など。これらの方面の人脈など全く持っていませんでしたので、非常に助かりました。

その他には、サポートセンターが主催するセミナーに参加するようになって、「商品開発・販売の情報が入手しやすくなること」「同じように取り組んでいる異業種の方々との出会うきっかけを得られる」のが大きいですね。普段では関わる事のできないモノ作りの最前線で活躍されている企業や専門職の方々のお話を無料で聞けるのでとても勉強になります。

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長期保存はほどほどでいい。それよりも安心・安全で美味しいものを作って行きたい

おかげさまで最近になっては様々なところから「商品を置かないか」とお誘いをいただくようになりましたが、実はお断りすることの方が多いです。それは
もちろん工場のように大量に出荷できないという点もありますが、それ以前に「どこでも見かける商品にしたくない」という思いが強いためです。
私たちが作っている商品は、使用する材料はできるだけ地元から調達し、全ての工程を手作業で行っています。なので大量生産は行えません。長期保存の方法も様々なやり方がありますが、不要な添加物を使用してまでも行っていません。それよりも、ゆっくりでいいから安心・安全で美味しいものを作っていくことを心がけて商品の製造を行っていきたいです。

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「曙かき」ブランドを復活させて虫明の牡蠣を全国に広めたい

現在岡山で生産される牡蠣は「岡山牡蠣」ブランドと統一して販売されていますが、この虫明エリアで収穫される牡蠣は昔から「曙かき」ブランドとして販売しています。もちろんうちで製造している牡蠣商品も全て「曙かき」を使用しています。これらの自社商品を通して全国の方々に「虫明の曙かき」を知っていただき、いずれはこの虫明地域全体の活性化に繫がるよう、これからも頑張って行きたいと思います。

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「牡蠣の家 しおかぜ」ホームページはこちら